DCエアコン・スリーピングウェルキューブその後

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【長い文章を読む時間がない方へ…8行だけお付き合いください】

DCエアコン・スリーピングウェルキューブ(以下SWキューブ)ですが、私が無駄な時間と労力と金を使って得た結論は、
"冷房能力950W(=3250BTU)とは別に、そもそもマトモな冷風が出るような構造になっていないと思われる"です。

「吹き出し口の温度が設定温度より下がらないこと、空間の大小にかかわらず(この点についてはあえて言及すらしていない)
空間を冷やすことができない理由は冷房能力が低いからだ」という趣旨の発言を販売元はしていますが、
そもそも空間を任意の設定温度まで下げるためには、吹き出し口からそれ以下の冷風が出ていなければ困難です。
このSWキューブは冷房能力に対して、コンデンサーも軽自動車のインタークーラー以下のサイズ(目視)の物しかついておりません。

販売元はこのようなトラブルが発生した今も未だに商品ページに特別な追記などはしておりません。ミスリードを誘発させる気満々です。
吹き出し口から設定温度以下の冷風が出ない12V電源で稼働する"自称エアコン"を21万円出して買いたい人はどうぞ。

2019年6月、車内の快適性向上に希望を持って、大枚をはたいて購入したDC(直流電源)エアコン、スリーピングウェルキューブ(以下SWキューブ)でしたが…。
7月に、クーラー設置を検討するに追記した通り、予想をはるかに下回る性能であることが"購入してから"判明したのです。

端的に言えば、「冷えない」のです。どれくらいかというと、冷房時の温度設定を最低温度にしても「その設定温度と同じ温度の風が吹く」のです。

お分かりになるでしょうか…。
要するに、「冷房17℃設定時に本体の吹き出し口から17℃〜18℃のぬるい風が吹く」のです。車内はもちろん家屋室内でも。

↑見えにくいですが、冷房最低温度の17℃に設定されています。↑設定温度に対し、吹き出し口の風の温度は18℃…。


当初、商品到着時から本体背面にある電源コネクタが曲がっていて、差し込み方によっては電源が入らないor振動で電源が落ちるという症状が出ていました。
そして、数時間ほど使用するうちに「なんか…あまり冷えないぞ?」と思うように。その後、5時間ほどで100AhのLi-Feバッテリーが空になり、バッテリーセーバーが作動。

まさか、ハナっからこんなに冷えないと思ってませんから、最初は普通に販売元とメールで交渉を行っていました。

しかし翌日、ちゃんとバッテリーをフル充電にした状態で改めて動作させてみても、やはり17℃設定時に17℃以下の風が吹くことはありませんでした。
そのため、さすがに不具合を疑い、すぐに販売元へ返送とチェックを要求しました。

返送後数日しても販売元から連絡が全くないため、催促したところ、その日に連絡があり「コネクタの不具合は確認した。
チェックには時間がかかるため、先に代替品を発送する」と連絡が。

しかし、こちらとしては本当の性能も分からず、不具合かどうかも断定されてないのに、代替品を送られても困るので、
先に実使用時のデータを公開するよう申し出る。当然、このような商品を販売している以上、計測したデータがあると思っていました。
2019年6月末、当時の天気は曇りや雨など、太陽が出ない日が続いており、気温が上昇するまで待つのは非常に時間がかかるため、
こちらは既に計測したデータの公開にこだわっていました。

しかし、販売元は「実計測を行い報告する」の返答の後、またしても1週間ほど連絡なし。
人を待たせる場合、通常日数なり時間なりを決めて待たせるのが常識だと思うのですが、この販売元にとってはそうではなかったようです。

その後、販売元所有のデモ機での計測データ(本体と温度計と経過時間を写真で撮ってコメントを数行加えたもの)がPDF添付されてメールにて、
「不具合ではない」との主張が。

7月4日、販売元曰く「SWキューブの冷房能力3250BTUに対し、ハイエースクラスのカーエアコンは12000BTU、軽自動車クラスでも8000BTUの冷房能力を有している。
これはそれぞれSWキューブのおよそ4倍、2.5倍の能力であり、現代の日本の夏場の自動車車内において、SWキューブ単体で車内を快適に冷やすことは困難である。
また、使用直後で外気温から6℃、1時間後には12℃低下した冷風が出ているため、製品に問題はない」

とのことでした。

夏場の車内では使い物にならないことが判明。返送した商品を返品扱いにしてもらえるよう連絡。
しかし、先から何度も言っているように、自宅室内でも冷房17℃設定時に、17〜18℃のぬるい風が吹くのである。

ついでに、こちらが返送した商品は自宅室内でも設定温度と同程度の風しか出ていなかった旨主張し、報告無用であるが、調査してみたらどうか。と提案。
(本当に提案程度であったのだが、この後、販売元が執拗にこちらの室内での計測方法を聞き出してきて、その後下記の2万円問題が出たため、
「だったら返送品でも実験しろ」とこちらから主張したのであるが、それは本筋からそれるため割愛)

ここからが泥沼の始まりでした。

7月5日、販売元は「冷えが悪い件については正常であり、本来客都合の返品は受け付けていないが、コネクター部分の不具合があるため例外的に返品を受け付ける。
しかし、返送された商品は使用済みであり、再販するためのリフレッシュ(新品外箱と商品清掃)が必要である。
専門業者の見積もりによると2万円であったため、購入金額から2万円を差し引いた金額を振り込む。」

という内容のメールが。

当然、これにこちらは猛抗議。
「商品を開封使用しなければ分かりえない不具合や性能についての案件でありながら、クリーニング業者法人名や連絡先、請求内訳を開示せず、
2万円とやらを請求するのか」と主張。
加えて、「貴社はハイエースのワイドロング(容積8.5m3)で実験しているが、こちらは車内寸法が(長1.43x幅1.15x高1.0)という車内容積1.64m3の軽自動車で
実験を行って貴社実験内容と類似した結果が出ている。容積差を考えれば、冷えない原因が冷房能力不足という貴社の主張はおかしい」とも主張。

7月19日、販売元は「色々と言いたいことは分かったが、このままでは何も解決しない。返金なら2万円を差し引く。不服なら代品を送る」と。
なお、このメールから「部長」という立場の人間へCc:がついている。こういう場合、普通はBcc:なんだろうが、あえてCc:で送ることで、
「バックに他の人間も付いているぞ」という無言の圧力なのであろうと思われる。

これに対し、こちらの主張に対する返答がない。まずは返答をせよ」と主張。

7月31日、大量のこちらの主張のうち、「貴社販売ページにはいかにも冷えそうな"冷房効率は抜群"という謳い文句と冷房能力の数値しか記載されていない。
動作1時間後に外気温から12℃低下するのが正常という実験結果は購入時点では知りえず、商品ページに明記されていればそもそも購入しなかった。」について、
「効率が良いのは事実である。が、冷えるとは言っていない。また、動作1時間後に外気温から12℃低下するのが正常という性能を知りえなかったということはない。
なぜならば、販売ページには冷房能力が記載されているからである。冷房能力の数値そのものでどの程度の空間をどこまで冷やすことができるのかは
こちらでもすべてを説明することはできない。」

もはや1つの主張の中で矛盾が発生しているという支離滅裂な状況であり、この辺りから、個人で販売元と交渉することへの限界を感じ、
県消費者センターや(カード購入であったため)カード会社の紛争処理窓口に相談。

県消費者センターでは親身に相談に乗ってもらったが「冷えないということを客観的に証明するのがかなり難しい。
センターではそのような実験を担当する技術部署もあるが、相手から商品の提供を受けたりしなくてはならない」と。

カード会社の紛争処理窓口でも県消費者センターのように難色を示されたが、「今までのメールのやりとりなど、不具合と主張する証拠が欲しい。
かなり時間がかかる上に、カード決済の取り消しができるかどうかは分からないが、やれることはやってみる」との返事であった。

そこからは販売元とのやり取りから解放され、精神的に少し楽になることができた。


この間、8月1日と8月9日に製造元のイタリア・IndelB社に「SWキューブが冷房17℃設定時に17℃のぬるい風が吹くことについて、
放熱器が950Wの冷房能力の移動した熱を放熱できるだけの構造がないのではないか?」という件についてメールを2度送ったが、
返事が来ることはなかった。図星か?

9月20日、カード会社より「現在販売元が加盟する決済代行会社と交渉中であるが、このまま交渉を続けると、販売元が提示していた
"2万円を差し引いて返金する"という条件が受けられなくなる(=一切返金されない)可能性がある」との確認の電話が。

もうここまで来たら行くところまで行こうという覚悟があったため、「交渉を継続して欲しい」旨、カード会社に伝える。

10月上旬、販売元から「一切連絡がないが、そろそろ返金か代品発送かを選べ。連絡がなければ代品を発送する。」というメールが。
人を待たせる人間(これは法人だが)の典型的な例で、待たされるのは嫌なのである。
「貴社が加盟している決済会社から連絡が来ているはずだ。連絡がないことを理由に代品を発送するのであれば受け取り拒否する」と返信。

販売元は「そのような連絡は来ていない。こちらから連絡するから決済会社の連絡先を教えろ」と言ってきたが無視。
支離滅裂な主張をして、根拠不明な商品クリーニング代を請求し、そのクリーニング業者名を明かさなかったヤツに教えることなど何もない。

11月8日、カード会社から連絡があり、「交渉の結果、決済代行会社から決済取り消しの連絡があった」と。つまり、全額が返金されたのである。
非常にうれしい瞬間であった。…と思っていたのだが…。

年明け2020年1月7日、昨年11月8日の「決済取り消しによる全額返還請求がカード会社から販売元に行われ、本来差し引くはずだった
2万円のリフレッシュ費用が取れなくなったため、今度はそれを振り込め」
とこちらに請求書をメールで送りつけてきたのである。

加えてメール本文には「リフレッシュ費用とは製品の新品箱代及び一方的理由による弊社の販売機会損失に対する費用として御請求致しております。」
との文言が。金額は相変わらず2万円のままであるが、本体の清掃代が抜けている上に、"一方的理由による弊社の販売機会損失に対する費用"が加えられている。
そして、当初の請求では税込2万円であったのだが、今回添付の請求書では税抜2万円になっている。

カード会社に聞いたところ、「それはこちらでは対処できない」との事だったので、市が行っている無料の法律相談で弁護士を紹介してもらい、相談に行く。

結果、弁護士も、請求根拠であるリフレッシュ費用の内訳や業者名が開示されていないことや、当初とは別に販売期間損失の費用と名目が変更されていること、
税込2万円が税抜き2万円になっていることから、「色々とおかしい」との見解。
「訴えられるかどうかは分からないけど、2万円だからねぇ…。だって訴えたら少なくとも印紙代で1000円、切手代で6000円。自分たちだけでやってもかかる訳で。
放っておくのも1つの手なんじゃないでしょうかね。訴えられたらまた来てください。やり方教えますから」と。

販売元に対して、「根拠もなく、2万円という請求を支払うことはできません」と返信するのか、一切返信せず放っておくのか、という2つの選択肢があったわけであるが、
今更、販売元に対して連絡したくもないので、私は一切返信をしなかった。

その後3月6日、ついに販売元から「2万円を1週間以内に払わなければ訴える」という内容証明郵便が届いたのである。
内容証明には、散々2万円を払えと説明したこと、そして身に覚えのない「貴殿が"何者かになりすまし注文され、商品を受け取っていない"と虚偽の主張」というとんでもない文言が。

さすがにヤバそうなので再び弁護士に相談。「あー、これは自分たちで出してますね。郵便代1000円で2万円取れたら儲けものって感じで弁護士に入れ知恵されたんでしょう。
弁護士に依頼してたら弁護士名で来るので。というか弁護士に依頼したら2万円以上掛かるから。そしてこれ裁判になったら相手方に不利な証拠だと思いますけどね。
だってありもしない"なりすまし注文"なんてことが書かれてるんだから。返事書いたらいかがですか?」とのことで書き方を教わり、

3月16日に内容証明郵便に対する回答書を販売元に送付。その後、特に2か月以上動きはないが、いつか訴えられるのかもしれない。非常に面倒である。