念願のフルトラ&MSD点火化

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以前からやりたいと思っていた改造(改良)の中に、フルトラとMSD点火化がありました。
どちらも、旧車の点火系の信頼性を向上させ、加速やトルク感も上がるというレビューもあり、取り付けたいと思っていたのですが費用面から断念していました。

2023年12月、以前からブログを見ていた、これら点火系パーツの取り付けを得意とする埼玉県所沢市のTHサービスに作業を依頼することを決意。

まずはフルトラ点火について相談、ポイント式デスビの内部に組み込むセンサーで有名な米国Pertorinix社のIgnitor Iを取り付けることに。
センサーを取り付けるためのベース(土台)はワンオフ製作になるとのことで、本体込みでおよそ5万円との見積もり。

早速部屋に転がってた予備のデスビを送付し、加工してもらうことに。
同時に、車両への取り付けとMSD点火についても相談。
曰く、「MSDを2気筒の車に取り付けた経験がない。360ccを扱っている仲間に聞いて、調べてから返答する」とのことでした。

2024年1月上旬にフルトラセンサーを組み込んだデスビが完成し、MSDの取付は先方が取り付けたことがないことから、タコメーターの動作に懸念がありましたが、
最終的に、タコメーターが動かなくなった場合の了承その他、日程調整を経て、2024年2月に車両への取り付けが実現しました。

MSD本体はこちらで事前に調達したもので、デジタル6シリーズの廉価版のStreetFire(ST)シリーズを使用しました。
本当は6シリーズで有名な6ALを取り付けたかったのですが、昨今の円安で高額なこと、THサービスとのやり取りでオーバースペックだろうとの判断でSTシリーズを使用しました。

THサービスでのMSD取り付けは、固定する位置決め、固定まで済ませておくと工賃が安くなるとのことで、事前にホームセンターでステーやネジ類を購入し、
エンジンルーム内で穴開けなどが不要なスペアタイヤ取り付け部分にステーをネジ止めしました。
早ければ入庫日翌日夜には渡せるとのことでしたが、翌日が雨だったため作業できず、1週間後の夜の引き渡しとなりました。

ファーストインプレッションは、始動後のアイドリング安定でした。
始動性向上のために濃くしている燃調ゆえにアイドリングで放置するとすぐストールしていたのが、フルトラとMSDの効果で10分ほど放置しても止まらず非常に安定しており、
また、それまで悩んでいた、走行中たまに起きる失火が一切なくなったことと、4速巡航時、上り坂があると3速に落としていたのが、4速のままアクセルベタ踏みで速度をほぼ維持できたり、
渋滞時、必ず1速からのスタートだったのが、タイヤが回っていれば2速からでも半クラでストールせずに加速までできるようになるなど、効果は絶大でした。

しかし、ゼロ発進からの加速性能向上はほぼ体感できず、エンジンも完調ではないしこんなものなのかな、と思っていましたが、
後日、点火コイルを※ポイント時代から使っていた筒型(開磁路型)のブラスター2から、閉磁路タイプのブラスターSSコイルに交換したところ、いきなり力強い加速で驚きました。
(※ブラスター2も本来はMSD専用コイル。一次抵抗0.9Ωの代物でポイント点火の車に使ってはいけません。)

ポイント点火では(本来はパワーバンド内であるはずの)6000rpm程度まで回すと、壊れそうな音がするだけで「ただ回ってるだけ」という感じでしたが、
フルトラ&MSD点火へ改良後はパワーが出ている感じの音に変わり、明確に加速が良くなりました。

また、懸念されていたタコメーターですが、L38の純正タコは電圧式で特にタコアダプターなど追加のオプションは取り付けずとも正常な値が指示されました。

不思議なのが、MSDユニットにはエンジンの気筒数に応じて本体から2本の配線ループが出て(生えて?)おり、それをカットすることで任意の気筒数に設定するはずなのですが、
ノーマルの8気筒設定のまま、タコメーターは正常と思われる値を示しているという現象が起きています。

最終的な費用はTHサービスでのフルトラ、デスビ加工&取り付け、MSD配線工賃で7.5万円、MSD本体が4.5万円、ブラスターSSコイルが1.3万円で13万円少々でした。
金額的に安くはありませんが、13万円の価値は間違いなくあると思いました。