修理について
さて、入庫前に私が挙げていた整備依頼箇所は以下の通りでした。
当初整備依頼箇所 | 点検・整備箇所 | 解説 |
クラッチディスク交換 | レリーズベアリングとクラッチカバーも交換 | ペダルにずーっと足を置いてたので、カバーの爪が磨耗してました |
オイルポンプからのオイル漏れ修理 | オイル漏れ原因確認 | ポンプ内部のダイヤフラム劣化、部品入手不可で見送り |
クランクシール交換 | ← | |
タイロッドエンド交換 | 部品がないためブーツのみ交換 | |
ロアアームのボールジョイント交換 | 一体型だったためブーツのみ交換 | |
ドラシャブーツ交換 | 切れていなかったので、見送り | |
エンジンマウント交換 | 崩壊していなかったので、部品がなく見送り | |
フロントサス・アッパーマウント交換 | 部品がなく見送り | |
ステアリングラックブーツ交換 | 切れていないため見送り | |
燃料ポンプをダイヤフラムから電動化 | オーバーフローの可能性が払拭できないので見送り | |
ロアアームブッシュ交換(ひび割れ) | 部品がなく見送り | |
デフのオイルシール交換 | ワンオフ品で対処 |
当初整備依頼箇所の欄が、入庫前から私が個人的に「交換した方が安心」と判断して交換依頼をしていた場所です。
整備箇所の欄が、入庫後、点検をして実際に行った整備内容です。
解説欄は省略します。
当初、この交換必要箇所のうち、部品が揃っていたのは、ワンオフ品のクランクシールのみ。
各方面から情報を集め、形状が似ている部品などを探しましたが、なかなか見つからず…。
ロアアームのボールジョイントについては、そもそもこの車はボールジョイントとロアアームが一体型でした。
現実的に交換となると、ASSYでの交換となるため、交換は断念しました。
ブーツは工場側で手配が付いたそうで、ブーツのみの交換となりました。
また、指摘されたのが、ロアアームのブッシュ。
ひび割れているそうで、また圧入によって入っているため、交換は「新品部品が手に入らないと絶対やらない」とのことでした。
整備内容交渉時点では見つかりませんでしたが、これを書いている現在、ワンオフで作ってくれるサイトを発見したので、
2年後にはそこに依頼を考えています。
ちなみに1か月くらいしてから在庫確認したら、ちゃんと在庫なしになってました。
ドラシャブーツについては、純正互換品がインナーとアウター1つずつしか出ませんでした。
仕方がないので、大野ゴムのドラシャブーツのサイズを記載しているサイトから似たサイズのものを
拾い上げ、発注しようと考えていましたが、そんな時に、工場から
「これ切れてないよ?グリスが飛び散ってたのはブーツバンドが片側無くなってたせい」との連絡が。
本当は交換したいのですが、工場の助言と予算の関係で見送りとなりました。
エンジンマウントについては、ウレタンゴムで製作してくれる業者が存在しましたが「1個2万円〜」というお値段、
また、硬くなっているものの、さほど状態は悪くないため、今回は見送りとなりました。
ストラットのアッパーマウントについては、エンジンマウントの業者に見積もりを出しました。
ワンオフということ、またウレタンゴムの型取りは非常に手間が掛かるらしく、
1つ8万5000円という見積もりが出てしまったため、これも断念しました。
本当はこれを付ける予定でハーネス製作用の電線まで買っていたのだ…。
燃料ポンプの電動化については、純正のダイヤフラム(負圧)ポンプが燃料漏れを起こしていた(補修済み)こと、
負圧から電動化することで、体感できるくらいパワーが上がるとのレビューもあったため、
絶好のチャンスと考えていたのですが、4stと違い、キャブでガスとオイルを混合させる2stでは、
「キャブにオーバーフロー防止のリターン経路が設けられてなく、軽自動車用の小さなキャブでは
オーバーフローの不安が払拭できない」との工場のアドバイスにより、負圧ポンプにさらなるシーリングをし、
継続使用となりました。
デフのサイドオイルシールについては、純正は全体がゴムで形作られているもので、外径がデフ側より0.3mm程度大きいものでした。
オイルシールのカタログ等を探しましたが、既製品では必要なサイズのシールがなく、必然的にワンオフとなりました。
0.12mmの差で(金銭的に)泣きました。アスリートか、っての。
しかし、製作するショップと整備工場との連携を私が正確に取らなかったため、完成品は外側が旋盤加工されたアルミ製でしたが、
工場はゴム製と勘違いし、デフ側のサイズ(を2/100ほど小さく)で私が製作依頼を出してしまったこと、また、このシールは本来は
ミッションケースを分割してからシールを組み込むタイプのシールだったため、左右でケースの外径がわずかに異なっており、
製作されたオイルシールを組み込むと、セルモーター側(左前輪)に比べてエンジン側(右前輪)のクリアランスが大きい状態でした。
そのため、組み込んだ際に手で嵌まるような感じになってしまったようで、「このままだと液体ガスケットが熱で柔らかくなった時に
オイルが漏れるかもしれない」という懸念が生じてしまいました。
最終的には、工場の計らいで追加料金なしで「組んだオイルシールを剥がして、ミッション現品をショップに送る」という方法で
再度ショップに製作依頼を出しました。(送料別)
予定外の追加出費で2万円弱掛かってしまいましたが、万が一あのままエンジンを搭載して、修理完了後にオイルシールから
オイル漏れを起こした場合、再度エンジンを引き抜く作業で6万円ほど掛かるため、大事を取って再製作となりました。
オイルポンプのオイル漏れ修理については、当初、オイルポンプの銅ワッシャが劣化しているものと思われ、
汎用品で修理が可能かと思われましたが、詳しく調査すると、オイルポンプ内部の構造は燃料ポンプとよく似ており、
内部にダイヤフラムがあるようでした。
このゴムの劣化などが原因でオイルが漏れているようでした。これの交換は部品の入手が不可能だったこと、
また、予算の関係でこれ以上の部品製作が不可能になったため、見送りとなりました。
最終的に修理代合計税込143,200円、これに自賠責25か月を掛けて25,880円、総額169,080円でした。
本当はこれに持ち込みの部品代も掛かっているので、全合計では20万以上掛かってしまいました…。
<2020/05/26>オイルポンプ部分記述に取り消し線